みなさんこんにちは、つくねです。
今回はじめて一時帰国をしてきました。
その時に体験した出来事からふと思った疑問があります。それは、
「フランスに帰る」なのか、「フランスに行く」なのか。
一見些細な表現の違いですが、これは海外在住者にとってアイデンティティや居場所に深く関わるテーマです。
この記事では、フランス在住2年目の筆者が実際に感じた違和感や体験を交えながら、「帰る」と「行く」の違いを考えてみたいと思います。
「帰る」と「行く」のニュアンスの違い
- 帰る:本拠地・自分の居場所に戻るイメージ。
- 行く:ある目的地へ向かうニュートラルな表現。
日本に住んでいた頃は「実家に帰る」「札幌に帰る」と自然に使っていましたが、海外に住み始めると「もうフランスは自分の居場所になっているのか?」と疑問に感じるようになりました。
成田空港のスタバで「これから帰国ですか?」と聞かれたとき
この疑問が出てきたのはフランスへ飛び立つため、成田空港のスタバに寄ったときです。
スタバの店員さんってサービスがとてもフレンドリーで丁寧で、話しかけてくれますよね。
私は好きな接客のされ方です。
レジで店員さんが大きな荷物、すっぴんの私、ラフな2人の恰好でピンと来たのか「これから帰国されるんですか?」と尋ねてきました。
その時私は返事に迷ってしまったのです。
帰国?これは帰国なのか?
確かにフランスに私たちの「家」はある。
けれども私にとって「帰国」なのか?
夫はフランス人で生まれも育ちもフランス。実家も家族も友人もフランスにいるので夫からすると確実に「帰国」です。
では私は?
少し考えた後、私は「そうですね、これから行きます。」と答えました。
そこから一時帰国だったんですね~!という話から、次の一時帰国は年末ですか?えぇ!再来年⁈思ったより遠かった😫寂しい~💦何ていう話でほっこりするひと時を過ごしました。
誰かがさみしい、遠いと言ってくれるだけでこんなに救われて嬉しい気持ちになるんだなと思いました。
よく何年も日本に帰っていません!なんていう方をSNSで見かけたりするので、私はすぐ帰りたがって甘いな~と落ち込んでいたので、遠いって思ってもいいんだ。思う人がいるんだとわかるだけでも救われました。
日本は一時「帰国」。フランスへは「帰る」?
なぜ私がフランスに「帰る」と言うことを躊躇したのか。
その理由を探してみました。
- 日本国籍
- フランス語をまだ流暢に話せていない
- フランス社会に溶け込めていない感覚(会社勤めしていないことなどが要因)
- いずれ日本に本帰国する目標がある
- 家族も友人もみんな日本にいる
これらが「帰る」つまり自分の居場所であると胸を張って言えない要因なのではないかと思いました。
それと、フランスに「帰る」と言うことが当たり前になってしまったら、自分の国だった日本が離れていってしまうような自分の国が無くなってしまうような不安感がありました。
フランス生活が長ければ長くなるほど、日本の社会の適応していくことが難しくなります。
2年離れただけでも地元・札幌の街は大きく変わり、無くなった建物、新しい商業施設、新しいシステムがたくさんありました。
ワクワクするのと同時に、将来のことを考えてほんの少しだけ不安になりました。
将来日本に戻ったときについていけるだろうか、と。
見慣れた街並み、安心した街並み、というものが日本に無くなってしまうのではないかという不安。
その不安をフランスに対して「帰る」を使わないことで、なんとかしがみついて払拭していたのかもしれません。
思ったよりも自分が日本人であることに誇りを持っていた
フランスに来てから、一時帰国してから気づいたことは思っていた以上に自分は日本人であるということに誇りを持っていたことです。
日本に住んでいた頃は愛国心はそれほどありませんでした。
フランスに来てから、日本のすばらしさを知ったのです。
こんなに良い国にいたんだな、この国で生まれてよかったな、そんなことを想える母国でよかったな、と何度も思いました。
だからこそ、フランスに馴染み溶け込み生活することが一種の裏切りのように感じてしまうこともありました。
(海外に住んでそんなこと思う人、いるでしょうか…)
(もしいたら教えてほしいです…)
愛国心があることは良い事だと思います。
自分の国を嫌いなことよりよっぽど幸せですよね。
ですが、ずっとそのままでは段々苦しくなってくると思います。
現に苦しいです。
そこで、解決策を考えてみました。
フランス生活を快適に過ごすための解決策
- 自分の居場所を増やすイメージをする
- 逃げ場を増やすイメージをする
- (どうしても厳しかったら)長期旅行していることにする
その他にも、ベースとしてフランス語力の向上やコミュニティー作りなどをすることで気がまぎれると思います。
ですが、とりあえず考え方の解決策を考えてみました。
海外に住むことは母国を捨てるのではなく、居場所を「増やす」ことなのだと考えることが大事だと思いました。
また、日本が好きといってもネガティブな部分もあります。
そう言ったときに慣れている国が日本以外にあるだけでも安心できると思いました。
あとは最終手段で長期旅行だと思う、です。
これは夫からのアイディアだったのですが、日本に本帰国するまでの旅行と考えればいいのではと。
それなら少し楽しもうという気持ちになれるのではということでした。
完全に自分の荷物がフランスにある状態で旅行気分は感じにくいですが、永住するわけではないと思うと少しこの街を探検してみようかななんてゆとりが生まれますね。
まとめ
海外に住み始めると、ふとした瞬間に「日本に帰るのか」「フランスに行くのか」といった表現に迷うことがあります。これは単なる言葉の問題ではなく、自分のアイデンティティや居場所に直結するテーマです。
私が感じたように、
- 国籍や家族の所在
- 言語力や社会への適応度
- 将来どこで暮らしたいか
といった要素が「帰る・行く」の言葉選びに影響しています。
その一方で、海外生活は母国を「捨てる」ことではなく、居場所を「増やす」ことだと考えると気持ちが楽になります。
フランスに暮らす今を「旅行の延長」と捉えることで、肩の力を抜いて前向きに生活できるようになるのかなと思いました。
👉 結論
「帰る」「行く」に正解はありません!
大切なのは、母国への誇りを持ちながら、新しい居場所を楽しむ心の持ち方です。
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