【海外移住】フランスでの年越しとお正月の過ごし方

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日本のクリスマスはカップルや友人と過ごし、年末年始は家族団欒を楽しむイメージがありますよね。

フランスはその逆で、クリスマスは家族や親戚と大切な時間を過ごし、年越しは友人たちと賑やかに過ごすという人がほとんどです。

今回はそんなフランスでの新年の過ごし方や、この時期ならではの食べ物についてご紹介いたします。

フランスの年末の過ごし方

クリスマスは厳かな祝日

フランスでは11月半ばに入ると街のイルミネーションが点灯しはじめ、一気にクリスマスムードが高まります。

学校はクリスマスの2週間前から冬休みに入り、職場では1週間程度のクリスマス休暇を取る人もいるようです。

24日のクリスマスイブまでは賑やかなお祭りムードで、もみの木を新しく飾ったり、プレゼントを買いに行ったり、クリスマスディナーの準備をしたりと大忙しですが、25日になると静かな雰囲気へと一変します。

各地の教会ではミサが行われ、厳かに「イエスの誕生を祝う日」を過ごします。

クリスマスという一大イベントが終わってからも、街のイルミネーションは消えることなく1月まで続き、年明けの「公現祭」までクリスマスの余韻をゆっくりと楽しみます。

一年の中で最も慌ただしいクリスマスを終えた後なので、年明けまでそのまま家族や久しぶりに会う友人たちとのんびりと過ごすのが定番のようですね。

年越しは賑やかなカウントダウン!

日本の年末年始は、普段離れて暮らす家族が集まってゆっくり過ごすのが一般的ですよね。

大晦日には大掃除をしたり、年越しそばを食べたり、テレビやゲームなどで家族揃って同じ時間を共有するという人も多いのではないでしょうか。

一方、フランスの年越しは家族というより、友人同士で賑やかに過ごす習慣があります。

誰かの家に集まって、お酒や食べ物を持ち寄ってパーティーをしたり、各地で行われるカウントダウンイベントに参加したりとアクティブに過ごす人が多いようです。

パリではエッフェル塔や凱旋門付近で毎年派手なカウントダウンが行われており、年明けと同時に花火が上がります。

シャンパンを振りまいたり、車のクラクションを鳴らしたりと大騒ぎして盛大に新年をお祝いします。

エッフェル塔やシャンゼリゼ通りはかなりの人が集まるため、出かける際は事件や事故に巻き込まれないよう細心の注意が必要です。

ここ数年はコロナ禍によって花火が中止されたり、規制が厳しくなったりしているため、最新の情報を確認することをおすすめします。

大晦日に食べる伝統食はある?

フランスの大晦日に食べる料理には、日本の「年越しそば」のような伝統食はありませんが、目覚めを意味する「レヴェイヨン」と呼ばれる祝宴の席では、フォアグラや牡蠣・海老などの豪華食材に、メインは鶏肉を食べることが多いようです。

クリスマスや新年に鶏肉を食べるのは、ヨーロッパの厳しい冬、鶏肉が暖かい太陽のシンボルとして親しまれてきた歴史によるものとされています。

フランスの新年の過ごし方

静かに過ごす新年

フランスの新年は日本のお正月の過ごし方とは大きく異なります。

新年は同じく1月1日ですが、どちらかと言えばクリスマスを新年ととらえている人がほとんどなのです。

また新年を迎えたことを日本人ほど重要視していないため、いつもの祝日と変わらない過ごし方をしているフランス人が大半で、日本のお正月のような雰囲気はありません。

1日は祝日なので観光地もお店もすべて休業日となり、街はひっそりとしています。

前日のカウントダウンパーティーの疲れを癒すため、寝正月を過ごすフランス人も多いようですね。

クリスマス休暇の最終日であり、週末にあたらない限りは2日が仕事初めとなります。

新年に食べるお菓子「ガレット・デ・ロワ」とは?

日本ではお正月におせち料理を食べますが、フランスの新年に欠かせない食べ物として「ガレット・デ・ロワ」と呼ばれる焼き菓子があります。

お菓子の中に「フェーブ」という小さい陶器の人形が入っていて、これが当たった人はその年に幸運が訪れると言われています。

「ガレット・デ・ロワ(Galette des rois)」とは「王様の菓子」という意味で、1月6日の「公現祭」をお祝いして食べるフランス伝統菓子のひとつです。

「公現祭」とは、聖書に登場する東方の三博士(バルタザール、メルキオール、ガスパール)がベツレヘムに到着し、イエスの生誕を祝福したのが1月6日とされており、つまりは「キリストが公に出現した日」を祝う祭日のことです。

その後新典礼歴において、1月2日から8日の間にある日曜日が「公現祭」として定められました。

ガレット・デ・ロワの歴史

ガレット・デ・ロワの起源は、古代ローマのサートゥルヌスの祭典へとさかのぼります。

この祭典では王を決めるための選挙が行われ、「そら豆」が入ったケーキを引き当てた者が王になるという習慣がありました。

このくじ引きが「フェーブ」の始まりだと考えられています。

「フェーブ」とはフランス語で「そら豆」を意味し、そら豆が胎児に似た形をしていることから、古くから「生命」のシンボルとして大切にされてきました。

11世紀にはブザンソンの教会で次期責任者を決める際、パンの中に硬貨を入れてくじ引きをしたとされ、それが庶民の間に広まっていったのではないかと言われています。

当初はそら豆や硬貨が使用されていましたが、19世紀頃には陶器製の「フェーブ」へと変化していきました。

大切な人と食べる「ガレット・デ・ロワ」の楽しみ方

ガレット・デ・ロワはアーモンドクリームをパイ生地で包んだシンプルなお菓子で、表面の美しい模様が特徴的です。

年明けにはお菓子屋さんやパン屋さんの店頭に一斉に並びますが、今では1月6日に限らず1月中ならどこでも手に入るようですね。

直径20~40センチほどの円形状が一般的で、フランスでは家族で「公現祭」をお祝いし、みんなで楽しく食べます。

人数分に切り分けられたガレットは、テーブルの下に隠れた最年少の子供の指示に従って、誰にどの一切れを与えるのかが決まります。

フェーブが当たった人は紙製の王冠をかぶり、「王様」または「王妃様」になって皆から祝福を受けて、幸先の良い1年をスタートできるということですね。

近年では、ガレット・デ・ロワのフィリング(詰め物)の味を変えたり、見た目を工夫したりと趣向を凝らし、毎年新作が登場しているようです。

スーパーでは一人用の小ぶりなサイズでも売っているので、気軽に楽しむこともできますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はフランスでの年越しとお正月の過ごし方についてご紹介しました。

日本とはずいぶんと違っていて面白いですね。

初めてフランスで年越しを迎えるという方は、こちらの記事を参考に、楽しい年末年始を過ごせるよう準備してみてくださいね。

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